大阪府のT様からご依頼いただきました桐箪笥の洗い替え修理ができました。
ご実家の自宅に置かれていた桐箪笥をお引き取りさせていただいて、工房で修理前のお写真を撮らせていただきました。かなり状態は悪くて、傷んでおりましたが、
私どもを探していただいて、お修理のご注文をしてくださりました。
状態があまり良くなかったので、桐箪笥の木地をかなり手直しするには時間が必要になる桐箪笥でした。
この状態の桐箪笥を
半年以上かけてこのように綺麗に洗い替え修理をさせていただきました。上の状態の桐箪笥が私どもの桐箪笥の職人はこのように蘇らす事ができます。
傷んだ状態の桐箪笥から金具を取り外してから、杢目に沿ってお湯で汚れを洗っていきます。内部もすべて熱湯消毒するように洗います。
それが出来るのが和家具を代表する本物の桐箪笥です。今市場で桐箪笥として販売されているものでも本当に洗い替え修理が出来る本物の桐箪笥はほんの少しです。
それだけ偽物が多い事をお客様は知らないで購入されているのが現状です。
それでは、修理前と修理後の比較写真をご覧ください。これだけ詳細に部分ごとに比較写真を紹介出来る工房は全国でも田中家具製作所だけだと思います。
一度粗悪な洗い替え業者(同業者)で洗われていたと思います。
元々開き戸にはこのように細い紫檀が埋め込まれていましたが、修理前の戸は塗りつぶされていました。
今回元通りに修復させていただきました。
古い金具も汚れを落として
再メッキを施してこのように復活させるのが私どもだけです。粗悪な洗い替え業者はすべて金具を取り換えてしまいます。
昔のいい金具もほかされてしまいます。悲しい限りです。
以前の引出し金具は取り扱いがしずらい埋め込みの金具が使われていました。
今回はその埋め込まれていたすべての穴を桐箪笥職人が綺麗に引出しの前板をすべて張替えて、このような金具に変えさせていただきました。
使える金具はすべてこのように再メッキをして再度取り付けます。
粋な鍵座でしょう。
これほど綺麗に手直し出来る工房は他にないと思います。
内部の引出し金具は昔のままの金具を再メッキして付けています。金具が埋め込み式なので、普通の金具に交換すると厚みが出来てしまうので、戸が閉まらなくなります。
開き戸の内部の比較写真もご覧ください。
この状態がこのように修理できます。
桐箪笥の内部に鏡が付けられている桐箪笥はとても貴重な桐箪笥です。
おしゃれなハート型のような金具も汚れを落としてメッキなおしさせていただきました。
昔の粋な金具に再び命を与えるのが私どものこだわりの洗い替え修理です。
人はどんどん死に向かって年を取っていきますが、桐箪笥のように蘇らせる事が出来ればどんなにいいでしょうね。
私は人は亡くなっても、その人が使われていた傷んだ桐箪笥も心あるお客様によって、このように再び命を取り戻してお使いしていただくことが出来ます。これが昔の日本人が考えた桐箪笥の良さなのです。そのお手伝いが出来る事は本当に嬉しいことでございます。
今回もなんとか綺麗になおさせていただく事ができました。日本の桐箪笥の本当の奥深い収納家具としての凄さを感じていただければ幸いでございます。
日本の若い方にも知ってもらはないともうこの文化は無くなってしまう危機感がございます。費用はかかりますが、古い桐箪笥を是非蘇らせてあげてください。
またT様からご依頼いただきました箪笥はこの他にもございます。追ってご紹介させていただきますので、しばしお待くださいませ。
今回ご注文いただきましたT様本当にありがとうございます。洗い替え事例のご掲載が遅くなってすいません。これからもどうぞよろしくお願いいたします。