桐箪笥の洗い修理の納品事例 ロイヤルホテル初音の桐箪笥の洗いが出来ました。
昨年の7月12日のブログで紹介させていただいた私どもの里帰りしたロイヤルホテル初音の桐箪笥の洗い替え修理ができました。
その出来栄えをご紹介させていただきます。
私どもの初音の桐箪笥の洗い修理する前と洗い修理後のお写真です。
まず最初に金具を丁寧に外してからお湯で丁寧に汚れを洗いながします。そして良く乾かしてから傷んでいる箇所を修理いたします。桐箪笥の生地をしっかりと職人が手直しした後、とのこ仕上げを行いうと美しい新品同様の桐箪笥に甦らす事ができます。
この様に新品になりました。
お預かりさせていただいてから1~2ヶ月かかります。
比較写真を撮るのが大変な作業なんですが、
皆様に私どもの技術の高さをご覧いただいて分かってもらえるようにしています。
これだけ直せる技術は日本一だと自負していますが、自己満足なだけかもしれません。
自慢したいのではなくて、本当に職人の仕事の良さをお伝えしたいのです。
これだけ杢目を合わせて張替もする事ができるのです。
流石にオシャレな前飾り金具をお付けしています。もうこの金具も廃盤で手にはいりません。メッキ直しして再度取付させていただきます。
この鍵座も高級な鍵座で昔はこの様に手打ちで鍵座をお作りしたのです。
今ではもうこの技術がありません、これだけ細かなご紋を手で彫るのは凄く難しいです。
お盆の間に手作りの職人だけが組み上げている桐箪笥にしかない、固定の中棚がご覧いただけます。
上三杯と下三杯の間にある21mmの固定棚の事を指します。
桐の箪笥って本当に凄いものでしょう。
その当時もすばらしい桐材を使っていました
初音の私どもの桐箪笥は父が健在の時代で特別思い入れがあります。
何十年経っても桐箪笥だけが思いを受け継げます。
ですからこの仕事がもうからなくても続けられるのです。
わたしが桐箪笥屋の長男に生まれた宿命です。
本物の最高の桐箪笥だけが本体と戸びらの両方を欠き込んで兆番(金具)を留める加工をします。これを両彫り技法といい職人がノミで取り付けする最高級の桐箪笥だけにしか施されていない技法です。
桐の箪笥を見る時はこの金具の付け方をしてある桐箪笥はほんまもんの価値ある桐箪笥だと思っていただいて間違いはないと思います。
外見上金具の厚みの真ん中に立ての線がきます。
戸をあけて金具をご覧いただきますと
この様に本体と戸びら両方に金具が埋め込んでいるでしょう、最高級の桐箪笥はこうして金具を取り付けます。
必ず覚えておいてください。この事を知っていればまがいものの(偽物)の桐箪笥に騙されることはないはずです。(誰も教えてくれない事です。)
衣装盆の角も手の込んだ丸みを持たせたデザイン性のある作り出しお盆で作っています。
この様に引出しが欠けていても
全くなにも無かったように手直しするのが、一流の桐箪笥職人なのです。
今回は比較写真を丁寧に載せています。数か月の時間の差があるので前にどんな角度でお写真をとったのかを覚えてないとこの様な拡大写真で比較できないのです。
今回は凄くいい写真をが取れました、これも社長自ら写真を写して紹介させていただいてるからです。
そうじゃないとこの桐箪笥に対する熱い思いが伝わりません。
この事例をご覧いただいて初めて田中家具製作所に依頼をしてみようと、皆さんがご相談くれます。
昔はホームページもない時代知り合いの家具店に頼んで洗ってもらってましたが、
その出来栄えには大きな差があり粗悪業者も多くてお客様が可哀想な時代でした。
今は嘘のHPもありますが、本物のHPも見極めが出来る時代で、製造元も分かる時代です。インターネットの恩恵がございます。
真面目に真摯に仕事に向き合っている職人が恵まれない時代は、どこかおかしい日本だと思います。
適当な会社が儲かるような変な時代が今の日本です。
もっと消費者の皆さまが賢くなって欲しいと願います。
今回も私どもの初音の桐箪笥が里帰りをしてくれました。親子何代までも引き継げる事のできる唯一の収納家具が桐箪笥です。
どうか皆様 本物の桐箪笥の良さを認識して欲しいと願います。
ではこの初音の桐箪笥をお客様にお届けに伺います。
ご依頼ありがとうございました。