こだわりの桐箪笥の洗い修理 大阪府のS様の2本揃えの最高級小袖衣裳箪笥です。
2018年のゴールデンウイークの5日子どもの日にご紹介する桐箪笥の洗い替え事例は、昨年2017年9月2日に社長ブログでご紹介させていただいた昔のいい桐たんすの洗い 修理のご依頼をの桐箪笥です。
その時のブログはこちら
その桐箪笥の洗い修理が完成して、S様にお届けさせていただきました。
工房で金具を外す前にこの様な状態でした。
その桐箪笥は私どものこだわりの桐箪笥の洗い修理でこの様に甦らす事ができました。右 左は逆になっていますがこれほど美しく甦らせるのが私どもだけだと自負しています。
蒔絵(絵)の入った桐箪笥を丁寧に手直しして甦らす技術は、他の工房では受け継がれてないかもしれませんね。すごくいい蒔絵が施されていました。
その当時にこの様ないい桐箪笥が作られていたのです、その桐箪笥の修理を私どもに依頼していただけて本当に有難く思います。
梅と月の蒔絵で、絵のバランスも良くて、2つの扉全体に書かれている蒔絵は
すごく貴重で手間暇のかけられた蒔絵なのです。
房付きの金具は開け閉めしにくいので、蒔絵の雰囲気を損なわないように、そして
これから先に使いやすく開け閉めしやすくするために、ハンドル型の取ってに替えさせていただいています。
へこみや傷の生地を治してこの様に手直しできるのが私どもの桐箪笥の洗いです。
作家はわかりませんが・・・・厚みのあるいい蒔絵です。
この様に繊細な部分も甦らします。一度との粉を塗ってしまってから表面を綺麗に甦らすのには、時間のかかる失敗の許されない作業工程になります。
この技術は他工房には負けません。職人の技術の違いがあるからです。
この様に完全に甦らせる工房がないと悲しいでしょう。
いい桐たんすですね。
費用は他の工房よりは少し高いかもしれませんが、是非桐たんすの事なら私どもにご相談ください。
写真では分かりにくいかもしれませんが、何十年もお使いいただいてなかったので、傷や痛みが激しかったです。
でも私どもの職人の手にかかれば・・・・これだけ手直しできます。
洗い替えや修理は手間暇がかかり仕事としては儲かる仕事ではないのですが、昔のいい桐箪笥にまた新しい命を吹き込んでその当時の桐たんすがまたこれから先何十年 何百年 とお使いいただける手助けができればと思って、変な正義感だけでやらせていただいています。
桐たんすの洗いを専門にしている会社ではこれだけの洗い修理をする事は不可能でしょうね。
私どもは今の時代でもお作り出来るこだわりの桐箪笥を作っている工房だから出来る仕事なのです。
S様がこの桐箪笥を治してあげたいとの思いがなければ、捨てられる運命であったとおもいます。でもご縁があって私が見に伺ってた時にこの箪笥は私どもで治して欲しいとお願いした桐たんすなんです。処分されるにはとっても惜しい桐箪笥だったので、
小袖衣裳箪笥の全面外側には、紫檀(色の黒赤い部分)があしらわれています。
これは最高級の腕の持つ職人が制作した証です。
何十年と経つとこの様に黒びかりするぐらい汚れます。
ただその汚れも丁寧に何度も洗い、薄くカンナをかけて削ってあげてなおす事ができるのです。
この当時とすれば気密性があり、柾目も良く通っている本当にいい桐箪笥です。
内部もカビがきていましたが、
何度もあらってカビをとるとこの様に美しくなります。これができるのが桐の箪笥だけです。洋家具にいくらお金をかけても手直しできませんが、桐箪笥は再生できます。
昔のいいたんすには、固定棚(中棚)や 扉と本体の兆番を埋め込む。両欠き込みの技法がご覧いただけます。これもその当時の技術の高い職人でしか作れなかった技なのです。
桐箪笥の仕事をさせていただいていたら、その時代の職人の思いや、
当時の道具(婚礼)に対するご両親さんの思いが伝わってきます。
このような桐箪笥を助けてあげれる事が出来るのが、嬉しいです。
この技術をいつまでも残していきたいのですが、安価な洗い業者の存在と、お客様の箪笥に関する思いが変化してきており、職人を育てていく事がどんどん難しくなってきているのが現状です。
戸と桐たんす本体を埋め込んで金具がつけられているでしょう。これが昔ながらの最高級のこだわりの桐箪笥だけに施された伝統に技法なのです。
この金具の付け方さえみれば、桐箪笥の良さが判断できると言っても過言ではないと思います。
引出しの天地丸紫檀巻き七段箪も同じように傷んでいましたが、
この様に美しく甦らす事ができるのです。写真をみれば簡単に治せそうにおもわれるでしょうが、すごく手間暇と時間をかけないとこのようには治せません。
桐たんすとは本当に奥の深い良く考えられた日本人の知恵がいっぱい入った収納家具です。
手直し出来る技術があれば、この様に再生出来ます。
この様な傷んでいる部分も洗った後に職人が生地の時に張替ます。
そうしないで、そのまま、との粉仕上げをしたらかたが言ってにじんでしまいます。
1つ1つ丁寧に傷を治していくので、時間と費用がかかります。
適当に手直しすればいいのでしょうが、私どもの職人はそのような仕事を好みません。
自分でしか出来ない仕事だからこそ価値があるのです。
職人はあまりしゃべりませんし、直接お客様と出会う事が少ないです。
わたしが代わりに代弁したり、その仕事の内容をこの様に紹介しないと、
この技術を誰にも分かっていただけません。
手直しをする職人の技術力の差が出来栄えを左右します。
私は日々その仕事について皆さんにお伝えしたくて、
この納品事例をアップしています。
同業者さんも良くご覧になっておられますが、洗いなんて・・適当でも・・・・
とお考えになられているのでしたら辞めていただきたいと願います。
これが私ども田中家具製作所の桐たんすの洗い替えなのです。
今回もご縁をいただいてこの様にいい桐箪笥を甦らせてあげる事ができて大変感謝いたします。綺麗になったので、埃や紫外線から桐たんすを守る為の布(油単)もお作りしていただきましたS様ありがとうございました。
昔の古い桐箪笥を簡単に処分しないでください。桐のことなら、
私ども072-443-8835までお気軽にご連絡ください。
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