こだわり桐箪笥の社長ブログ お母様の思い出の大切な長持ち箪笥を利用して桐箪笥を製作させていただきました。
優しいお客様から「なんとかお母様の思い出の長持ちを使っていただいて家具ができませんか?」と私どもにご相談がございました。
早速ご実家に伺いお話しをお聞きして、その長持ちを見に行かせていただきました。
お母様の思い出のある長持ち箪笥をどうにか生かして、欲しいとのご相談です。
任してください、桐に関しては私どもに出来ない仕事はありません。
このような優しいお考えのお客様には全力でお答えいたします。
樅(もみ)の長持ちですが、前板などは薄くて厚みが必要な箪笥本体にやり替える(リメイク)のはむずかしいので、
天井の綺麗な樅の板を使って桐の前板として使用して2段の引出し箪笥をお作りする事を提案させていただきました。
昔はみんなこの長持ち箪笥に布団を収納していたんですね。傷や板の反りが合って少し大変な作業になります。
今では、ほとんど見かけなくなってしまった長持ち箪笥です。
でも、お客様にとってはたくさんお母様の思い出が詰まっていた長持ち箪笥だったんでしょうね。ただ処分してしまうのは偲びないと思われたので、ご相談いただきました。
最近では、押入れ収納スペースもなく
長持ち箪笥を置く場所さえ少し困ってしまいます。捨てるのはもったいないし、、、
と思っている方も多いでしょうね。
職人と相談して、一番いい杢目の部分を箪笥の前板に木取りする事にしました。
やはり杢目が一番で、その長持ちの一番いい部分を使う事が私どもの仕事です。
古い長持ちもこの様に再び甦らす事が出来るのも、昔の家具ならでわです。
今の洋家具ではこの様に甦らす事はできません、・・・・・
これからどんな風にリメイクされるのか、、すごく楽しみでしょう。
そしてこの長持ちをお預かりしてから、ついに完成致しました。
二段の引出し箪笥として製作いたしました。こちらがその桐箪笥です。
この様にリメイクができました、本当に綺麗に仕上がっています。
引き出しの前板には長持ちたんすの樅の模様のいい場所を使用しています。
金具は、唐草の金けしの金具を付けさせていただきました。
すき間のない職人のこだわりの桐箪笥に甦らす事ができました。
天板や本体は私どものこだわりの桐材を使わせていただいています。
小ぶりな箪笥ですがとっても輝いていて存在感があると思いませんか?
箪笥がとても、いきいきしたように見えます。
お母様の思い出の長持ちでお作りした桐箪笥だからでしょうね。
前板も綺麗に仕上がっているのがご覧いただけます。なかなか樅の材料は仕上げが難しいのです。側面もご覧ください。
組手の前に樅の材料がご覧いただけるでしょう。
このように使わなくなってしまった長持ちのたんすもリメイクすれば
引き出しの桐箪笥として再び甦らせて使うことが出来ます。
もちろん前板以外は私どもの総桐ですので安心して衣類をなおしていただけます。
簡単に思われますが、すごく手間暇のかかる作業になりますが、私どもの職人はよくやってくれました。樅は硬くて職人泣かせの材料なのです。
引き出しの中はこのように美しい光沢の桐材を使用しています。これから何百年も安心して使える桐箪笥に甦らす事ができました。
引き出しの中も幅の広い良質な桐材がご覧頂けるでしょう。
写真ではお伝えでませんが、いい桐の香りがするのです。
きっと亡くなられたお母様も絶対に喜こんでいただけるはずです。
ものが溢れている時代で、なんでも捨ててしまう断捨離が流行っていますが
いいものを大切にずっと使用し、使えなくなったものを利用してまた思い出のたんすとしてずっとお使いしていただける事を嬉しく思います。
そんな技術がこれからも残せていけるように、皆様にお分かりいただけるように今日もこの納品事例でご紹介させていただいています。
広く沢山の方にそして若い人にもこの想いが伝わればいいなあ、、と思っています。
ほんとうに素敵な箪笥のご依頼をいただけたお客様の感謝いたします。本当に甦らせてあげる事ができてよかったです。
この様にお家にあるボロボロのたんすも和家具であれば自分だけの
タンスに生まれ変らえる事が出来るのも私どもの工房なのです。
自分だけのこだわりの思い出の詰まったオリジナルのたんすを作ることができます。
私どもの職人がひとつひとつ手作業でこのように桐たんすを製作していきます。
伝統の手組で組まれた蟻組もご覧いただけます。
このように生まれ変わった樅の前板の桐たんすをお作りする事が出来ました。
お母様の大切な思い出の長持ちを使って桐たんすのご依頼をいただきまして、本当にありがとうございました、お客様の優しいお考えに共感できて少しでもお力になれてよかったです。私どももほんとうにありがとうございました。
これから先まで、何百年も大切に使っていただける事だと思っています。
このブログをご覧の皆さま、是非 この技術や内容を知っていただけたら幸いです。