西宮市のK様ご依頼の小袖桐箪笥の洗い修理の納品事例です。
沢山の桐たんすの洗い修理のご依頼を受けますが、なかなかアップする時間がなくてすいません。今回の西宮市のK様のご依頼は本当に大変な作業でした。
ご依頼をいただきご自宅に伺いましたがこんな状態でした。
これは、かなりひどくて、正直お断りさせていただきました。直せる範囲を超えた痛み方です。
もっと今まで丁寧にお使いいただけていたら・・・・・・・
しかし K様から「どうしても直して欲しい」と懇願されました。何度もお断りしたのですが・・・・・・祖父の思い出の箪笥なんだそうです。
桐箪笥の修理を見に行かせていただいて、お断りする業者なんてなかなかないですよ、ほとんどの業者はなんでも持ち帰って適当に直します。でも私どもは、そうしません
費用と価値をきちんと説明してお客様にご理解していただいてからいただいてどうされるのかわかっていただいてから持ち帰りますが
今回は本来 お断りさせて頂く桐箪笥でした。でもK様の強い希望とご依頼に負け
一旦持ちかえる事に致しました。
工房で金具を外すのも大変苦労しました。外すだけで桐たんすが壊れそうです。
外して洗うとこんな感じです。よごれも相当なものです。
傷だらけで背板こんな感じ やはり想像通りの痛みです。正直桐箪笥を新しく購入される方がいいのでは・・・・
しかし 私どもは、桐の職人集団です。これだけ頼まれていい加減な仕事をする事は致しません。ある意味職人の気概で手直しをします。
これからが長い闘いです。入れ木や桐板の交換 本体のゆがみ直し 引出しの調整等 数か月かかりました。
そしてメッキ直しした金具をつけて完成させました。
どうですか。これがこだわりの初音の桐たんすの洗い修理です。
これだけきちんと直せる工房はないでしょう。
背なかもこんなにきちんと修理しています。
引出し内部の桐も交換させていただいています。
遠くからみれば、新品の桐箪笥に見えます。
しかし手間暇と時間がかかりました。もう次回はお受けしない方がいいですね。
でも妥協しない職人気質だからこそ 出来る仕事です。
K様の洋室のお部屋にお届けいたしました。
K様にすごく喜んでいただけました。お仕事させていただいてお客様に喜んでいただけるのは、本当に有難いことです。
昔の金具も甦りましたね。
これからまた何十年とご使用いただけます。
古いものを再度使えるようにできるのが、桐箪笥 職人の凄いところでしょう。
私どもがお仕事を続けていけるのは、こだわったお客様がおられるからです。
K様の熱い思いを形であらわす事がなんとかできました。ご依頼ありがとうございました。
その期待に出来るだけお答えするのが、ほんまもんの職人なんでしょうね。
今回の桐箪笥の洗い修理は本当に大変な作業でしたが、なんとか綺麗に直せてよかったです。
日々精進しながら桐と向き合っていくのが、大阪泉州桐箪笥 初音の職人です。
是非 きちんと直して欲しい桐たんすがございましたら、遠慮なくご相談くださいませ。