なおす価値のある、それだけいい和棚なんですか?
私どもの社長ブログや納品事例を見てくれたお客様が、わざわざお車で遠方から100年ほど前のとてもいい品質の和棚を持ち込んでいただけました。
置かれていた状態はとても悪い状態でございましたが、和棚をよく拝見させていただきますと本当にその当時素晴らしい品質の和棚であったことがわかります。
お客様から事前にお写真をいただきましたが、見ればみるほど素晴らしい和棚でございます。
一般の方から見れば古くて汚いだけでしか見えないものが、私ども専門家が見れば、お客様にお願いしてなおさせていただきたい和棚でした。
実際に拝見させていただきますと、ほれぼれする和棚です。材質は桑の材料で作られています。右側の引き戸には、杢目の合わせたとても味わいのいい材が使用されています。
右側の下のけんどん戸にもとてもいい杢目が使われていて、昔の職人のこだわりを感じることが出来る素晴らしい和棚です。
戸についている金具も手打ち金具で素晴らしいデザインの金具が付けられています。その当時お作りされた職人のこだわりをとても感じます。
引出しの状態も外れていてとても悪い状態でございましたが、お見積りをさせていただいて、是非手直しさせていただけるようにお願いさせていただきました。
いままで捨てずに残していただけて本当に有難いような和棚です。手直しの費用はお客様が予想していた金額よりは高くなってしまったのですが、それだけなおすのに時間と技術がかかってしまうので、その事を丁寧にご説明させていただきました。
お客様からは、「なおす価値のある、それだけいい和棚なんですか?」と聞かれてそうですこんな和棚は私もいままで見たことのない作品ですとお答えいたしました。
日本ではもう手に入らない和棚なので、是非なおしてからも大切に使っていただきたく願います。このようなお仕事をさせていただける事は伝統工芸に携わっている喜びです。