正統! 大阪の桐たんすがやって来た
連日の猛暑...久しぶりの更新...
うだるような暑さにしばらくサボっておりました。
桐箪笥の注文は途切れても、途切れることなくやってくる
洗い替え、再生修理のご依頼。ありがとうごさいます。
古い箪笥には当時買い求めたお店の名前や作った職人の名前が墨書きや張り紙のような形で記されていることがよくあります。
今回ご依頼のタンスにもありました。
松村タンス店
はりまや?
でピンときました。
以前から何度か見かけたことのある屋号だと
過去の写真のデータをさかのぼってみるとぴったり
住所も同じ久太郎町どぶ池南
播磨屋こと松村太兵衛
また時代が進んで電話番号が記載されている写真もありました
船場1709もぴったり同じ
そして今回工房にやってきたのが
時代が進んで和紙から金属のプレートに
店名も太兵衛さんから代替わりしたのか
松村タンス店に...
少し気になって
今から約30年前、大阪泉州桐箪笥が伝統的工芸品に指定されるときに
調査した資料を基に作られた本、
『大阪泉州桐箪笥の歴史と技法』を見てみると同じ屋号、
松村太兵衛の箪笥が資料として載っていました。
他にも江戸時代の文献にも、
心斎橋筋東播磨屋庄兵衛など
”はりまや”の記載もあり、
職人系譜としてのはりまや系統もあったのかなどと
思いをはせてしまいました。
この箪笥はまさに300年の伝統を誇る
大阪泉州桐箪笥の正統
を受け継いで来たタンスといえるでしょう
しっかり仕口など勉強させてもらいながら
綺麗にしてあげたいと思います。