本当にいい桐たんすの本当に見えないところ
問題です。
これはいったいなんだと思いますか?
桐のすのこ?フローリング材?まな板?・・・。
正解は、桐たんすの開き戸の芯(シン)材なんです。
工房では、戸芯(トーシン)と呼んでいます。
桐たんすの開き戸と言えば、あの美しい柾目のイメージですが、
なんと、この芯材にオモテとウラ2枚の美しい面材がはられています。
桐タンスが完成したら、
本当に見えなくなる部材なんです。
よーく御覧ください! 伝統の技と知恵が見えてきます。
木目の方向が、タテ、ヨコ、タテタテ、ヨコヨコ、と
いろいろな向きになっているのが、ご覧いただけると思います。
そう、扉の反りや歪みを防止するためです。
大きなキズや節のある物や、クセのある桐材は
使いません!
この戸芯造りは、まず、タテ、ヨコの元となる板を作り、
それをまた、直角方向にバラバラに切断するというようなことを何度も繰り返します。
扉の長さが、1メートル以上ある、大きな扉には、あらかじめ
兆番を取り付けるところに
桐より硬く、粘りのあるホオの木を埋め木を施す場合もあります。
なんと!
タンス一棹、2枚の扉を造るのに8枚の板をつくる。
その手間を惜しんでいたのでは、本当によい桐たんすは語れませんね。
忙しい合間に、工房だよりありがとうございます。
私どもの手間暇かけた桐たんすへの思いが伝わります。戸びら一つとっても、ホウの木を台形の形にこだわって埋め込む作業の記事などの視点は、職人ならでわの工房たよりですね。あまり私どもの作り方を他社に知られるのは、どうかと思いますが、正直なこだわりの技術を一般のお客様に本当の桐たんすを知っていただく方がより私どもの日本のこだわった桐たんすに対する思いが伝わりますね。いつもご苦労様です。