桐たんすには見えない所にも伝統の技があります。
こんにちは!
大阪泉州岸和田 初音の家具
職人の粟田です。
80年前の桐たんす、台輪の裏側、
接合部分の様子です。
木も痩せて、当時の接着剤も切れてきてグラグラに。
ちょっと見てみましょう。
長い木釘がグイ!っと斜めに打ち込まれていました。
いい仕事してますねー!と思わず心の中でつぶやきます。
昔は木釘もウツギやサクラでその工房で手づくりで作っていました。
若いときはよう木釘を作らされたもんやー!と昔の職人さんからよく聞かされたものです。
現在では既製の木釘を使用していますが、今でもその技法は変わりません。
ドリルで穴をあけて木釘を打ち込むだけなのですが、
木釘がしっかりと効くように、桐の木が割れないように。
尚且つ100年経ってもしっかりしていますように。
これが結構難しく、奥が深く、長年の経験と勘が必要。
その結果がただ真っすぐに打つのではなく
斜めの角度に現れます。
打ち込んだ後、出てる部分の木釘は切ってしまいますので
木釘を切ってしまったらわかりません。
見えにくく、見過ごしてしまいそうな、木釘ですがそんな小さなところにも技があるのです。
桐箪笥にはそんな見えない所にこそ
伝統の技があるのを知っていただけたら幸いです。