秋の空と あきない仕事
こんにちは!
工房だより、職人の粟田です。
今年は雨が多いように感じますね。
しかし、晴れ間がのぞけばそれはすっかり秋の空
大阪泉州 岸和田の初音の桐箪笥工房
干場も”空き”が目立つようになってきました。
そう、間もなく新しい桐原木の入荷予定。
そのために、干場のダテの点検修理中。
工房の中はといいますと、
復活を待つ古い桐箪笥がずらり、
近年は洗い、更生も全国から続々とご依頼がございます。
私はといいますと小物のたんすの製作中。
小さくても手間は同じ、数が多いと大変です。
私の仕事場の横では、古い箪笥の修理も行われているのですが、
この度は、
100年近くありそうな桐たんす
伝統的に羽織箪笥と言われる型。
総桐で当時としてはなかなか良い桐たんすではないでしょうか。
材料の使い方なども見ながら、
当時のアリ組の仕口なとを眺めていると、
ん!?
時になる部分が、
左右のホゾが非対称。
これは上下間違えてホゾを抜いてしまった模様。
先人の 「上下、間違えてしもた!!」
の、つぶやきが聞こえてきそう。
あるある、ありますよ先輩!
そうゆうことも。
100年後の職人も同じ様なことで苦心してますし、
失敗をどうやって回避するかも技術ですね。
などと、かつての桐たんす職人と対話しながら、
職人というのは、本当にあきない仕事だなぁ、
と思う9月の工房だよりでした。