これがほんとの見えない仕事
こんにちは。
工房だより、職人の粟田です!
ありがとうございます!
全国より桐たんすの洗い替えの御依頼が
初音の桐たんす工房に来ています。
私も、いろいろな桐たんすの仕口や
技術を見て、フムフム、ニヤニヤ
昔の職人達と会話しながら
マニアックな世界に浸っている今日この頃です。
と何やら、古桐たんす指示書きが、
”背板はり替え、戸新調”
これは大手術!
背板のはりかえはよくあるのですが、
扉の作り替えはなかなかありません。
扉を見てみると柾目がはがれてしまってます。
しかも全体に浮いていてどんどんはがれていく様子。
「こんなもん、サラで作った方が、早いで!」
はよく聞く職人ボヤキ…
でもいざ、作り替えるのも手間がかかりました。
まずは、戸の芯、トシンの製作
この扉のトシンは横目ばかりの様ですが、
そこは大阪泉州初音の桐箪笥
タテヨコ、のトシンの製作です。
杢目の向きがタテヨコ、タテヨコ
更にきれいに、丈夫になって帰ってください。
の気持ちを込めて...
完成したトシンに次は新たに柾目合わせた
桐の柾目板を貼っていきます。
柾目、トシン、柾目の三層構造
貼り合せてしまえば見えなくなるトシン
まさに見えない仕事。
また更に綺麗になってその先50年、100年と…
大事に使ってもらって下さいの思いを込めて、
貼り合せれば新しい扉の完成です。
新しい背板も完成しました。
お届けは来年年明けとのことなので
今月はここまで、
ここでいったんしばらく2次乾燥といたします。