工房だより 手押しカンナの刃の交換にハマる。!
木工所なら必ずある、手押しカンナ盤。
手押しかんな盤、通称“手押し“
桐材と桐材をはぎ合わせる、つなぎ合わせるのに
欠かせない機械。
どんな材もこの上を通せばまっすぐになる。
うちの手押しは年代物...。
製造年月は書いてないものの50年はゆうに使っているだろう。
当然、刃が回転することによって木を削っていくので、
刃が切れ止んでくる。
今日はその刃の交換の話し。
その交換手順
若い頃、教えてもらったことはあるが、
はっきり言って替えたことはない。
ベテラン職人が
何やら楽しそうに変えていたのを横目に見ていただけ。
ベテラン職人藤原さんが引退されてからは、
岩本さんが交換をしてくれていたが、
やってくれない?
とお願いされ、岩本流手押しカンナ盤刃の交換手順を習った。
そのやり方は若い頃に習ったそれとは違い、
かなり考えられたものであった。
近年は、私が交換しているのであるが
これが中々難しく、奥の深いものであった。
何しろうちの手押しは年代物。
盤自体が歪んでしまっているし、刃をセットする押さえ刃自体
が摩耗してしまっているので、
その辺も考慮しながら刃をセットしなければならないのである。
これにハマってしまったのである。
毎回メモを取り、どんな感じで刃をセットしたのかを
残している。
自分しか分からないメモである。
若い頃に習ったやり方でもない、
岩本さんに習ったものでもない。
もはや自分流。
少しでも調子がよく刃も長持ちするように。
よし!今回もまずまずだと思いきや
でも、いざ使ってみると、ここが気に入らないなど思ってしまい、
刃を交換した後にもう次の交換を考えている自分がいる。
刃を長切れするようにセットしているのに
早く刃の交換をしたい自分がいるのである。
おもしろい。
かつてのベテラン職人が刃の交換を譲らなかった理由がわかってきたのである。