桐たんす作りを支える道具達~のこぎり~
こんにちは。
工房だより、職人の粟田です。
2019年も始まり、
ここ大阪泉州岸和田のこだわりの桐たんす工房も
あわただしく始動しております。
桐たんす職人が使用する、数あるこだわりの道具のご紹介。
今回はこれです。
のこぎり。
中でも桐たんす作りに欠かせなく特徴的なのが
胴付きのこぎり。
一方に背がね、と言われるものが付いていて
その片方にのこぎりの刃がついている。
背がね付のこぎりとは言わず、胴付きのこぎり。
包丁のような形。
工房では「どうつき」泉州なまりで「どおづき」
と呼ばれます。
この胴付きのこぎりの特徴は
刃が非常に細かく
刃自体が非常に薄い作りになっています。
普通の両刃のこぎりと比べるとこんな感じ
材を切ってみるとその薄さがよくわかりますね。
左が胴付きのこぎりで切った方です。
この刃の細かさがあるので切り口もきれいです。
そんな特徴のある
胴付きのこぎりはホゾの加工には欠かせません。
刃が非常に薄いので胴(背がね)が必要なのです。
また、胴があるから真っすぐに切れる。
という作用があります。
サクサク、サクサク切れます。
繊細に切らないと僅かなずれがあっても
ホゾはうまくかみ合いません。
職人の感覚をいかにのこぎりに伝えるか、
熟練のいる作業です。
こだわりの道具のおかげで
今日もカチッとかみ合いました。
大切な道具です。
使った後は必ず油を塗って元の場所。
桐たんす作りを支える道具達
胴付き鋸のご紹介でした。