桐たんす作りを支える道具達~ケビキ~
こんにちは。
今回の工房だよりは、
桐たんす作りを支える道具達~ケビキ~です。
漢字で書くと罫引き、毛引きでしょうか?
現物はこんな形をしています。
本体と棹から出来ていて、十の字の形。
そして棹に刃がついていて、
その棹を動かすことによって刃の位置も変わります。
本体を材料にあてて、手前に引くと材に対して平行な線が引けます。
組手のホゾを作る時や厚みの基準をマークしておく時などに使用します。
刃はとても鋭利に研いであるので、精密な線が引けます。
組手加工のような精密な作業には欠かせません
このケビキ線にノミの刃を入れていきます。
また、このケビキは 割る という使い方もあります。
裏表両方からケビキ刃を入れていけば、
厚み1センチ位までの材ならパリッと割るように
切断することもできます。
そして、このケビキという道具
市販もされてますが、
こだわりの桐たんす工房では、ケビキは職人の手作り。
ちびった(使わなくなった)鉋(かんな)の台を使用した
自作の道具です。
一般的にケビキは筋ケビキ、割りケビキに分けられますが、
うちに伝わってきているケビキは割りケビキ
本体も大型でしっかりしていて、刃も大きく出ています。
このケビキは父親の代から使用してるもの。
父が作ったのか、それとも父も誰かから譲り受けたものなのか?
70年?80年?かなり年季が入ってます。
私も数年前にこだわりのケビキを自作しました。
こだわりの くさび のないタイプ。
思いのほか上手く出来たので製作年月を入れてます。
平成の時代もあと少し。
昭和の道具にも平成の道具にも
次の時代も頑張ってもらいましょう。
こだわりの道具に囲まれて、今日も明日も
こだわりの桐たんす作りに励みます!!
桐たんす作りを支える道具達 ~ケビキ編~ でした。