工房だより Staff

一棹、300メートル!

こんにちは。
初音の桐たんす工房より発信いたします。

 七夕もすぎ、ここ岸和田も梅雨真っ盛り。
この時期は、湿度が非常に高く桐たんす造りも非常に
やりずらい毎日ですが、そこは熟練の桐たんす職人たち
空を見ながら、ボチボチとやっております…。

 

さて、今回の工房だよりは、

一粒、ならぬ

「一棹、300メートル!」

300メートルのなんなのか?

 

答えは、こちら、

紐-1

それぞれの職人の仕事場に必ずあります。

紐-2

使わないときは、こうやって丸めてしまっています。

紐-3

答えは、紐(ひも)です。

大阪泉州桐箪笥、
伝統的な桐たんす造りには、
紐は欠かせません!

特に桐たんすの木地づくり、
面材(化粧面)を張り付けるのに使用します。
紐-8

接着剤をぬって、キュッキュッと紐で接着します。

紐-7

紐-6

この単純な作業にも熟練の技が要求されます。

紐-4

このような大きな面材も張り付けることもできます。

紐-11

見習いの頃、あまりに原始的なやり方に大変驚いたものです。

紐-10

 また、胴丸型の桐たんす天板の オビ という一本物の
面材を
貼りつける場合などは、こんなに巻まきです!

紐-9

美しい!

大阪泉州桐箪笥、伝統の巻き方です。

見習いの頃

「紐の巻き方でその職人の腕がわかる」

と教えられたものです。

あと、衣裳盆を作るときなどにも

ひもを使用します。

image

箪笥一棹を作るのに
いったいどの位、ひもを使うのかざっくり計算したところ
箪笥の構造大きさ、にもよりますが、のべ200から300メートル
の紐を使用します。
「一棹、300メートル!」
ちょっとながなが、としたお話でした。

 

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