一棹、300メートル!
こんにちは。
初音の桐たんす工房より発信いたします。
七夕もすぎ、ここ岸和田も梅雨真っ盛り。
この時期は、湿度が非常に高く桐たんす造りも非常に
やりずらい毎日ですが、そこは熟練の桐たんす職人たち
空を見ながら、ボチボチとやっております…。
さて、今回の工房だよりは、
一粒、ならぬ
「一棹、300メートル!」
300メートルのなんなのか?
答えは、こちら、
それぞれの職人の仕事場に必ずあります。
使わないときは、こうやって丸めてしまっています。
答えは、紐(ひも)です。
大阪泉州桐箪笥、
伝統的な桐たんす造りには、
紐は欠かせません!
特に桐たんすの木地づくり、
面材(化粧面)を張り付けるのに使用します。
接着剤をぬって、キュッキュッと紐で接着します。
この単純な作業にも熟練の技が要求されます。
このような大きな面材も張り付けることもできます。
見習いの頃、あまりに原始的なやり方に大変驚いたものです。
また、胴丸型の桐たんす天板の オビ という一本物の
面材を貼りつける場合などは、こんなに巻まきです!
美しい!
大阪泉州桐箪笥、伝統の巻き方です。
見習いの頃
「紐の巻き方でその職人の腕がわかる」
と教えられたものです。
あと、衣裳盆を作るときなどにも
ひもを使用します。
箪笥一棹を作るのに
いったいどの位、ひもを使うのかざっくり計算したところ
箪笥の構造大きさ、にもよりますが、のべ200から300メートル
の紐を使用します。
「一棹、300メートル!」
ちょっとながなが、としたお話でした。