桐箪笥のカビのお話
桐箪笥を販売員する人が、「桐箪笥はカビ等に強いです」と言って販売されますが、そもそもそれは昔から桐の無垢材のみで作られた桐箪笥だけです。今市場で多く販売されている国産表記(中国産)の桐のシート張りの材料の桐箪笥は全くカビに強くはありません。湿度の多い部屋にはすぐにカビが発生します。桐箪笥に発生するだけでなく、吸湿性が劣るので、中のお着物にすぐにカビが発生してしまうのです。
写真のように、下の台の湿度の上がってくるところから桐箪笥の限界を超えてカビがきています。
こうなれば一度桐箪笥を洗い替えしなければなりません。特殊な技法で根本からカビをやっつけなくてはなりません。
ただ本物の日本の桐箪笥は桐箪笥にカビが発生しますが、中のお着物にはカビが発生しないように極限まで桐箪笥は湿気を吸い込んで守るのです。
ですから昔から、「桐箪笥にカビがきたけど、中身は大丈夫だった」と言われているエビネンスがその通りなのです。いい桐箪笥はちゃんと理由があるのです。自らがカビっても中のお着物は守るのです。
これから日本は湿度の高いカビの季節がきます。お部屋の換気だけ(空気の入れ替え)は心がけてくださいね。