昨年社長ブログでご紹介させていただいた、古い桐箪笥ですがやはり京都で作られた由緒ある桐箪笥でした。
サンタクロースさんからのプレゼントのような桐箪笥たちでしたが、ご依頼していただいたK様に詳細をお聞きさせていただいたら100年以上前に亡くなられたお母さまは京都市内の堀川にある由緒あるお家からお嫁に来られたそうです。そのお母さまのお母さまが一生懸命に娘の為のお荷物(お道具)をご用意したのだそうです。
やはり古い桐箪笥を見ればその当時の思いを感じられるのです。こんな素晴らしい体験をさせていただくのは洋家具ではなく和家具の桐箪笥屋の特権のようなものです。
いままで桐箪笥作りのこの技術を忠実に残してきてよかったと思える出来事です。
K様と色々お話させていただきました。
これから洗い替え修理をさせていただくのですが、これからの時代を考えて本当は砥粉仕上げで美しく再生させてあげるのがいいのかもしれませんが、今回は孫やその後の時代までこのお母さまの桐箪笥を普段使いでも使って欲しいとの思いから、自然な風合いを感じてもられるように蜜蝋仕上で手直しさせていただくことになりました。
そのK様のご選択もとてもいいと思います。桐箪笥は最もSDGsでサスティナブルな家具です。これほど昔の日本人が良く考えられた箪笥は世界に無いと思います。簡単にものを捨てる文化でなかった日本人の考え方が見直される時期にきていると思います。
その良さに是非気づいて欲しいと願うばかりです。