桐の木には命があります その大切な命を何百年と生かせる桐たんすを作るのが私たちの仕事です
動物だけでなく植物である木も生きています 本物の桐の無垢材のみを使う桐の箪笥に使う桐材も山で生きてきた木を伐採してから 製材をしてから乾燥させて製品に加工します
樹齢が40年から80年の桐の木の命をいただいて 桐の箪笥をお作りしています
伐採しても桐は幸い根っこの部分はそのままなので 切株からまた新しい芽が出てきて成長していくのが桐のすごいところです
これも普通の木ではない草科に属する桐の特徴ではあります
しかし1番手と言われる桐の根と一緒に成長してきた桐の幹の命をいただくのですから大切に使ってあげないといけません
昔は端材が出ればその木を燃やしてご飯やお風呂を焚きました 最後まで無駄なく使っていましたが
今では木を工房で燃やすだけでも近隣の方から苦情の出る時代です
むかしから 父がよく言っていた言葉ですが、
「製品にしたときにこの桐の木が育った年数よりも長く生きる桐箪笥をつくらないと 桐の木に申し訳ないからそう言う桐箪笥作りをしなさい」
とよく話してくれました 今でもその言葉を守りながら 桐材を大切にして 本物の桐箪笥だけをお作りしいます
だからどんな杢目でも大切に無駄の出ないように木取を行います
それが尊い桐の木の命をいただいている職人の務めです
そんな思いを込めて田中家具製作所の桐箪笥が作られていることを知っていただければ
製品をご覧いただく気持ちが 少しかわってくれるかもしれませんね