桐箪笥の栓止め(せんとめ)機能について、
お客様より、3つ並んでいる小引出しの
左側や右側、または、左右両方の引出しが開きません。
とご連絡がございました。年間に何度か同じ問い合わせをいただきます。
3つならんだ、小引出しには、栓止め(せんとめ)という
桐箪笥独自の鍵をかけれる機能がございます。
この栓止め機能について、ご説明させていただきます。
ほとんどの桐のたんすには、3つ並んでいる小引出しがついています。
3つ並んでいる小引出しの真ん中の引出しを、まず最初に引出して、
完全に箪笥本体から引き抜いてください。
そうすれば、前から10センチくらいの底板よく見ると、左右に指の手がかりのようなものが見えます。
この指の手がかりのようなものを、栓止めと呼びます。
左右の小引出しが本体に入ったまま動かしますと。
右側は、右方向にスライドします。左側は、左方向にスライドします。
栓止めのピンが入る書込みが、左右の小引出し側面にご覧いただけます。
この小さな左右の小引出しの書込み箇所に、先ほどのスライドするピンが入ることにより、
鍵(ロック)がかけれる機能を、栓止め機能と呼びます。
真ん中の小引出しを抜いて、左右の栓止めを、左右にスライドさせて、左右の小引出しが出てこないように鍵(ロック)をかける事が出来るのです。
桐の箪笥には、このような、隠し鍵のような機能(栓止め)がございます。
この鍵(栓止め)をかけた状態で、真ん中の小引出しを箪笥に戻してから、引手金具の上にある鍵座(丸い)を右側にスライドしていただきますと、鍵を入れれる穴が出てきます。
付属の鍵で、真ん中の小引出しに鍵をかけると3つすべての小引出しすべてに、
鍵(ロック)をかける事かできます。
解除される場合は、真ん中の小引出しの鍵をまず解除して、真ん中の引出しを完全に桐箪笥本体から、抜いていただいて、栓止め機能をスライドして解除していただければ、
小引出し3つすべての引出しが開くようになります。
お買い上げされた時に、この鍵(栓止め機能)のご説明をさせていただいておりますが、
すこし年数が経つと、お客様もお忘れになられており、
何年か経過した後に、お客様より、
「左右の引出しや、右側の引出し左側の引出しが開きません」と、ご連絡をいただけます。
お電話でご説明をさせていただいても、ご理解いただけない場合が、ございますので、
今回、社長ブログで、ご説明させて、いただきました。
桐箪笥独自の鍵をかけれる機能を、「栓止め機能」と呼びます。
この機能は、先人の職人さんが、桐箪笥のデザインをそこなわないようにするために、
考えだしたとっても、粋な隠し鍵の技法なんです。