こだわりの桐たんすの社長ブログ 新しい製材仕立ての桐の木をダテにたてて乾かす作業の事を、木干し(きいほし)と言います。
わたしがまだ小学校の低学年の頃
小学校から帰ったら、よく工房で木干し(きいほし)(泉州弁ですね)を手伝わされました。
桐の木を乾かす為にダテ(専門の場所)に桐板をはめていきます。
その頃は身体も小さくで、
製材したての生の桐材の重さに悪戦苦闘!
なまの長い桐板を肩に担いでふらふら、
肩や腰や足まで痛くなる始末、体力のなさを痛感しました。
1日作業を行うと2、3日身体が痛く、肩も痛くなります。
なかなか疲れがとれません。
父ら先輩の職人さんは普通に木干しをしています、
その時から父の姿にあごがれていたのかも、
よくやめようとおもわなくて、お手伝いしたいと思いました。
お手伝いした後に夕食に近くの個人のお店に弟と一緒に晩ご飯を食べに連れて行ってくれたのが嬉しくて・・・・・
その当時は外食なんてほとんどない時代でした。
桐の板1枚がこんなに重い事を痛感しました。
この作業は桐たんす作りにはとても大切な作業です。
桐材はわざとこのように雨にあてて濡らします。そして桐が乾く時に桐材の内部から余分なタンニン(アク)が出ます。
その工程を自然に昔から1年から2年かけてこのように行う事で、
美しい最高級の桐材がご用意できるのです。
あの重たかった桐の板1枚が
数年間乾燥さすと、同時に2~3枚を担いで運べるようになるのです。雨にあてて天然自然乾燥をさすと、桐の重さは三分の一から四分の一の重さになるのです。
今この作業を行っている工房は日本で本当に無くなってきました。
既成の製品化された桐の板を業者から仕入れて、
組立るだけの工房が増えました、
それでは本当にいい品質の桐たんすは絶対にお作り出来ません。
昔からの作業を行い、手間暇かけて作るから最高峰の桐たんす作りができるのです。
是非皆様に 覚えておいてもらいたい事です。