こだわりの桐箪笥の社長ブログ 本当に素晴らしい、昔のいい桐箪笥に出会えました。
数年前にベッドをお買い上げいただいた、お客様から家を建て替えるのに、自宅に古い桐箪笥があって、洗い修理するかどうか悩んでいるので一度見てくださいとご相談をいただきました。
伺ってみますと、なんといい桐箪笥です。
すごく傷んでいましたが、そこのお婆さんが嫁入り道具として作られた桐箪笥です。
全部で4棹ございました。
その当時でも相当品物のいい最高級の桐箪笥です。
昔の職人のこだわりの技がつまった素晴らしい作品です。
今大変人気の小袖の衣装箪笥。
小袖の引出し箪笥
揃いの小袖の幅広箪笥
そして手許箪笥です。その当時の素晴らしい作品ですこれほどいい仕事をされた桐箪笥と出会える事は桐箪笥の仕事を続けさせていただいて本当に良かったと思います。
関西のお嫁入りの歴史を感じる事ができます。
これだけの支度でお嫁入りされたのです。
この桐箪笥の素晴らしい所は、まず 金具
小袖衣裳の前飾りと手許箪笥の前飾り、両方とも手打ちのお揃いの何とも粋なデザインの金具です。私もこのデザインの金具を見たのは初めてです。
素晴らしい金具です。
そして最高級の桐箪笥の証である扉と本体を職人がノミで書き込んで取り付けている、
桐箪笥だけが両方を書き込んで取り付ける「両欠き込みの技法」で取り付けられています。兆番(金具)が両方埋め込まれている事がご覧いただけるでしょう。
今でも最高級の桐箪笥はこの様にしなければなりません。私どもの桐箪笥はすべてこの伝統技法を継承致しております。
そして、お盆の間にある固定の中棚(上から3番目のお盆の下にある棚です)
この棚が無い桐箪は今でも購入してはいけません、
この棚のある桐箪笥だけが、桐箪笥の職人が手作りでお作りした桐箪笥の証なのです。
お盆だけで固定の棚が無い桐箪笥は選ばれると大変後悔される事になる桐箪笥です。
そしてこの鍵座も最高の手打ち金具です。
今ではお作りすることの出来ない金具です。この鍵座金具がすべての引出しに付けられています。
同じ金具を今作成するとしたら、1つ3万円から5万円はすると思いますが、今は作る職人がいないと思いますし
これほど、こだわれるお客様もおられないのが現状です。
紋の中がぶつぶつしているでしょうこれがつくれないのです、全部手打ちで作られているのです。昔の金具職人の技術の高さがご覧いただけます。
また全体の面に漆が塗られています。素晴らしい桐箪笥です。
今回は洗い修理させていただきますが、漆を塗ると凄く高価になりますので、この部分は桐のままにさせていただきます。
その当時の桐箪笥職人のこだわりと素晴らしい技と思いでお作りされた桐箪笥です。
「是非治してあげて欲しい」と
私からお願いさせていただきました。
この桐箪笥が泉州に現存しているのも日本の桐箪笥の歴史的な品物です。
この様な作品を私どもで手直しさせていただける事は桐箪笥屋の本望です。
これだけ素晴らしい桐箪笥に出会える事は中々ないですね。これも凄いご縁をいただきました。多分この桐箪笥が私どもで治して欲しいと呼んでいただいたのかもしれません。
この様に状態は凄く傷んで悪い状態ですが、
私どもの職人でよみがえらせてあげることができるので、すごく嬉しいです。
この桐箪笥をお持ちのお客様もこれほどいい桐箪笥とは全く認識されていませんでした、なんとなくいい桐箪笥なのかなと言うぐらいの認識でしたが、
これを機会に詳しくお伝えさせていただきました。
こだわりの桐箪笥の社長の私からすればこれほど素晴らしい桐箪笥に出会える事は本当に嬉しい事です。
ブログをご覧の皆さまもご親戚や知人で古い桐箪笥をお持ちの方は是非私どもにご相談ください。072-443-8835
素晴らしい昔の桐箪笥を簡単に捨てる(処分)ないでください。
現在桐箪笥と呼ばれている(偽物)より
よっぽどいい品質の桐箪笥がこの様に残されているのです。