桐たんすの「調子を見る」
今日は、6年程前にお買い上げいただきました。
Y様より桐のたんすを移動して、欲しいとご依頼がございました。
その時、すこし桐たんすの引き出しが重いので、いっしょに見て欲しいとの事でした。
早速お伺いさせていただいて、移動させていただきました。
引き出しも、やはり湿気で、全体に桐材が膨らんでおりました。
職人がみれば、すぐにその桐たんすの状態がわかります。
伝統工芸士の粟田さんに、いっしょに行っていただいて、「調子を見させて」いただきました。
少しだけ、開け閉めしやすいよう鉋(かんな)で 、削らせていただきました。
本物の桐のたんすは、お部屋の湿度に合わせて、箪笥本体が湿気をすったり、(引きだし等が、膨らんで内部に湿度をいれません。)また、はいたり(乾燥している場合隙間をつくって空気の入れ替えをします。)して、 中の大切な衣類をお守りするのです。
湿気のある場所で、引き出しが固くならないような、桐たんすは、
いい桐たんすでは、ないと言えます。
今日も、ちゃんと私どもの桐たんすは、お役に立っていてくれてました。
ほんとうに、嬉しい限りです。
こんな具合になる箪笥は、本物の桐タンスだけです。
「調子を見る」とは職人が、その日、その季節の湿度などを見ながら、扉や引出しの納まり具合を調整することを、言います。