こだわりの桐箪笥の社長ブログ ロイヤルホテルの初音で買われた婚礼タンスの扉の修理に伺いました。
ロイヤルホテルの初音で買われた婚礼タンスの扉が傷んで開かないとの事、桐箪笥かどうかお聞きしましたら桐たんすではなくて、洋タンスらしいのですが、(桐以外の楢や紫檀 チークなどで出来たタンスの事を洋たんす「洋風のたんす」又は洋家具と呼びます。
私どもの箪笥でないのですが、困っているみたいなのでお伺いさせていただきました。やはり高級なみがき仕上げの洋タンスです。
作っていた会社はすでに廃業しています。その和タンスのスライド兆番が壊れていて、右の扉があけれない状態になっていました。
このタンスは磨き塗装で出来ている高級洋家具で扉が重たいのです、そのたんすの戸を2ヶ所のスライド兆番で支えているのは、無理がありますね、
少なくても3ヶ所で支えていればこうならなかったかも、根本の留め金具が金属疲労により折れています。洋家具の兆番はこの様になりやすいのです。
普通にお使いいただいても壊れてきます。洋家具はどんなにいい商品を購入しても、修理や綺麗に手直しする事ができません、最後には処分しないといけないのが、洋家具ですが、私どもがお作りしている和家具の桐の箪笥は何十年 何百年たっても直す事ができます。それだけの違いがあるのです。
スライド兆番を外してみましたが、なんとドイツ製の兆番です、スライド兆番はタンスの扉や本体のかぶり形(デザイン)によってそれぞれ違います。
ですから部品がないと修理が出来ません。この様に30年前で高級な洋家具で、製造メーカーがなく、外国製の金具が採用されているのはなおすことが困難です。
金具の中心に、Made in germany と刻印されています。このままではこの洋家具は修理不可能で扉が開け閉めできなくなります。お客様がこのままではすごく不便で、
どうしてもなおして欲しいといわれ・・・・
そこは、経験豊富な私です、・・・・・・?
どうしたかと言いますと、昔の婚礼で、この箪笥を持ってられると言うことは、同じ洋服たんすも持っておられると思いました。お客様に尋ねてみると、やはり一緒に購入されていて、ちがう場所に置いておられました。
ありました、この洋服たんすのスライド兆番を利用する事にしました。洋服たんすの扉は大きいため何か所かのスライド兆番でとめています。
予想通り4ヶ所の兆番でとめていました。上と下のスライド兆番は取ってはだめなので、真ん中のスライド兆番を使用します。
その為には、一度本体から扉を外す事になります。スライド兆番の調整の仕方は、プロの家具屋でないと一人で出来ません。
上手く外させていただき、再び洋服タンス本体に戸を付けました。
やはり予想していた通り お着物を入れる洋家具と同じスライド兆番が付いていました。
これで修理ができます。あまり開け閉めしない真ん中の戸のスライド兆番を利用しました。
早速 着物の洋タンスの扉にそのスライド兆番をセットしました。ネジで微調整をさせていただいたら、完璧に修理する事ができました。
お客様も大変喜んでいただいて、すごく感謝してくれました。
ほんと起点か効いてよかったです、これも何十年と家具の仕事をさせていただいているからだと思います。洋家具は部品の寿命が限られてますが、桐箪笥(和家具)は
ずっと何百年も使い続けることができ、傷んだり こわれたりしても 費用さえかければ元通りになおす事が出来ます。それが桐たんすの素晴らしい特徴です。