こだわり桐箪笥の社長ブログの超大作です。2017年春木だんじり祭りがおわりました。応援ありがとうございました。
今年の春木だんじり祭りは、天気との闘いから始まりました。台風18号(やりまわし台風)の影響を大きく受けた祭りでした。
世話人会の曳行責任者と副責任者2名で、会館まで移動します。
曳き出し前に曳行責任者として、一言出陣式で旭のみんなに挨拶をしました。
曳き出しは何とかもちましたが、
春木旭町は岸和田でも大型のだんじりですが、この様に春木地区でも曳き手の人数が多く曳き綱が長いです。
その特徴をよく理解して曳行を行う事が重要です。
引き出し一発目のラパークやりまわし、「ど真ん中で決めて欲しい」と思って乗ってましたが、
ほんのすこしだけインにいってしまいました。
その後は無難に曳行しました。下記の写真は、旧26のやり回しです。
その後 春木交差点から駅方面の左やり回しも今年はノンブレーキで綺麗に決めてくれました。かっこよかったです。
午前のパレードは雨 午後の雨 その中でのやり回しは、最も神経(技術)をつかいます。
路面が濡れていると、前梃子(まえてこ)効きも悪くなり、曳き手の足袋の踏ん張りも効かず、後梃子のやり回しの際にも後駒の濡れ方で制動しにくくなり、やり回しが難しくなります。
最終的に危険を回避するために曳行責任者のブレーキが最後の砦になります。
だんじりだけ青年団がだんじりを前に出してくれて、インに入ってくれたら、まだどうにかなります。
雨の中 やり回しのポイントに来た時は、最終的に「俺が止めたる」との強い思いで、だんじりに乗ってました。やり回しでアウトにいった時 インに向いた時も渾身の力でブレーキを踏みました。なんとか大きな事故(衝突)もなく回避出来た事は本当によかったと思います。1日目こんなにブレーキを踏んだ曳行責任者も過去にないかもしれません。ブレーキは踏み方によっても事故になる可能性があるので、曳行責任者は祭り前に他町の様々なやり回しのシーンをYouTube等で見て、自分の町のやり方にあったブレーキの勉強する事が最も大事です。
雨と天気がいい時でも曳き方が違ってきます。
一瞬の感覚を身に着けなければなりません。責任のあるポジションなのです。
雨の中 パレードで岸和田市長から花束と記念の団扇をいただきました。
それから旧26を左折やり回しです。しっかり決まりました。
曳行責任者は、その町の曳き方をすべて把握しなければなりません。ただ真ん中に乗ってるだけではないんです。
その後 午後からの曳行も強烈な雨の中行いました。
ラパーク逆やり回し 駅逆やり回し 年番本部パレード左折やり回し ずぶ濡れにながらもなんとか 旭町らしいやり回しが出来ました。
すごい雨で、着流し(浴衣)の紺色の染色が落ちてしまいました。
旭町青年団休憩なしでよくひいてくれてます。「かっこよかったですよ」
この大雨の中 旭町十五人組も良くとってくれました。「ありがとう」
この雨にも負けずに旭町はラパークのショートコースを6から7回 周回しました、
よくこに豪雨の中 頑張って曳いてくれました。
育成会の中学生もよく曳いてくれました。
雨の中の写真は本当に貴重な写真です。全身 ずぶ濡れで、正直 寒さで全身 震えてきましたね。
雨にも負けず顔は笑顔でだんじりに乗るのが、曳行責任者です。
雨の曳行は、かなり神経を使いましたが、宵宮をなんとかやりとげてくれました。
寒さとの闘いでしたが、旭町としてラパークをこの天気の中春木地区のどこの町よりも多く激走いたしました。ほんまによくやってくれました。
次の本宮も台風18号が心配でしたが、なんとか本宮の朝 雨がやんで曇りのお天気です。これぞ晴れ男の本領発揮です。みんなから「ゆきさん(曳行) もってますね」と言われました。
せっかく1年かけた宮入の日 天気が欲しかったので本当にありがたかったです。
5月の旭町の入魂式から2度目の宮入りです。入魂の宮入りも私の中で鮮明に覚えています。あの時は足回りも新調してからの初めての宮入り(やり回し)だったので、どういうだんじりの動きをするのか、各部署も緊張した宮入りでした。
本祭礼でも今年は宮入り 壱番の重責を担っての宮入りです。入魂の時の宮入りよりええ宮入り(良い宮入り)をするため皆でやってきました。
この宮入りについて、このブログを見ていただいている方だけに、詳細に私のその時の気持ちをお伝え(解説)させていただきます。
ゆっくりと高松交差点に進入 向きをかえて時を待ちます。青年団から「曳行どこでとめましょう」と声があり、「左の車の場所まで行け」とそこで止める指示をしました。
まだ宮入り開始の8時30分まで残り15分ありました。それまで待機です。
春木旭のだんじりは曳き綱が長いので、あまり前までだんじりを持っていってはいけません、充分に綱先と綱元とのだんじりの間隔をとる事が宮入りには最も必要です。
踏み板から見て、すべて曳行責任者が判断しなければなりません。
待機時間にみんなから「曳行 緊張してんちゃうか?」「顔 かたいよ」と色々若いものから声をかけられましたが、それがほんまに不思議なぐらい全く緊張しなかったのです。
緊張するより、「よーし 必ず上手く やったるで!」との思いだけでが強くありました。
全く不安や緊張感はなく、入魂の時と同じで、旭町の各部署を信じて旭の曳行責任者としてしっかりやる事をやろうとだけ考えてました。
宮入りを待つ時間は祭りの中でも特別な雰囲気のある時間であることは、みんな同じだと思います。
宮入りで私が考えていた一番のポイントは、綱を上手くもっていかせる、青年団のセットをくずさせない、綱先から綱中 綱元までのすべての力を生かした やり回しを行う事でした。
五月の入魂の時は青年団も緊張からか、なんどかセットが崩れました。
今回は同じ過ちを絶対に繰返さずに上手くもっていくようにさせました。
壱番の番号札を渡し年番さんから許可が出て、春木壱番の旭町の纏(まとい)が宮の鳥居に入っていきました。それから順に綱先が入っていって、綱中が入っていくのを確かめてからブレーキを解除します。
そしてブレーキをすらしながら付加をかけてゆっくり停止線まで持っていく事が大切なんです。ここで絶対に少しでも早く停止線にだんじりをもっていったらいけません。
青年団が「よっしゃ いこかい」「そうりゃ そうりゃ」と声をだし 綱元にも気合いが入り、やる気満々でだんじりを早くもっていこうとします。それを曳行が「停止線まで ゆっくりいけ」と声をかけて落ち着かせます。
その理由は、だんじりが綱元で早くもっていくと綱中の綱がたるむからです。
できるだけゆっくりと綱を宮に入れていきます。
この様にして 綱先 綱中 綱元の綱をやや張った状態で宮に入れていく事が重要なのです。旭町は綱が長いため綱先はだんじりの状態が全くわかりません。ですからリズムが大事なのです。1発で青年団の笛が合図となって綱先も参道を走り出します。
セットが1回でもくずれれば、綱先と綱元のタイミングがずれて、すべての曳き手の力が伝わらないやり回しになるからです。
そして 規定の停止線でだんじりをしっかり止めるのが曳行責任者の仕事です。
曳き手が多いので、ブレーキに力がかかってきます。
ブレーキが曳き手の力に負けないように、自分の体重をかけて踏み込んでいます。
しゃがみこんでますが、こうしてブレーキに体重をかけてないとブレーキが引きずられてだんじりが前に出てしまうからです。
宮入り前に青年団 団長の松林君に話をしてましたが、セットして綱が張ってきたらやり直しをしないで、合図をあげるように指示をしていました。
1発 勝負で行けと!
ブレーキを踏み込んでいると、旭の曳き手のみんなの力がブレーキに、ググットかかってブレーキベルトがディスクに巻付いてくるのがよくわかります。これはブレーキを踏んだものしか分からない体感です。
さすが団長もちょうど上手くやり回しの合図を出してくれました。綱元前の青年団がインに入りかけた瞬間 団長の団扇を叩く合図と同時にブレーキを解除!
溜まっていた曳き手の力がだんじりに伝わり加速します。最高のタイミングです。
綱が張りながら綱元がインに入り込んでいきます。綱全体に力が伝わっています。
いい入り方です。あとは、十五人組の後梃子の仕事です。
いい角度で坂に入ってきました、そのタイミングで後梃子がはいりました。するとその瞬間にだんじりが右にふわっと浮き そして左に浮きました。そしてかけあがっていきます。私の感覚で少しアウトにだんじりが向いています、
ほんとに冷静に1発 ブレーキを入れるタイミングを見ていました。
だんじりが浮いておりた瞬間に1発 ブレーキを踏み込みました。左に向けるきっかけになる為のブレーキを1発入れました。
その後すかさずインの前梃子の明和君が再度前梃子をほりこんだ瞬間と後梃子の梃子のタイミングが合って鳥居真ん中にまっすぐ向きました。
「やった!」と思いました。あとは、青年団 育成会の全力疾走です。
「曳行として乗ってて、これほど気持ちいいことはなかったです。」
春木旭の曳行責任者をさせていただいて、一番 感動しましたね。
この感動は一生わすれられません。
この弥栄神社参道を駆け抜ける下の写真は、娘が参道から写してくれました。
旭の纏と綱先が颯爽と走ってますね。
スピード感がありますね。育成会会長 の粟田君もこどもをみながら走ってます。
こども達も楽しそうに走ってくれています。この子達皆が将来の旭町の祭りを担って欲しいですね。
やっと左奥にやり回し成功した旭町のだんじり本体が見えてきました。
曳行副責任者(来年の曳行責任者予定者)の北田君も激走しています。身体の調子が悪いのに・・・
宮入りがうまくいったので、嬉しそうに喜んで走ってくれています。
「本当に 北田君 ありがとう!」
宮入り 壱番で参道をかけて抜けていく 旭の青年団 かっこいいですよ。!
これぞ 旭町らしい祭りになりました。
本当にみんなが最高に気持ち良かった宮入りでした。
みんないい笑顔してますね。観客(ギャラリー)が「うぉー」「きゃー」の歓声と笑顔と拍手を受けて 一番前まで参道を突き進むのは本当に気持ちいい瞬間です。
曳行責任者も躍動してます。迫力ある写真 ありがとうございます。
シャッタースピードが間に合いません、右が若頭 責任者の山田君です。
一瞬で駆け抜けています。
ものすごいスピードで参道を駆け抜けていきました。
後梃子も盛り上がっていますね。
責任者の北濱君の胴上げもしてますね。
団結力のある統制のとれた祭りを目指して、各団体1年をかけて準備をしてきました。トラックをひいて練習をしたり走り込みをしたり、その努力が報われた瞬間です。
観客からも「旭町 かっこいいなぁ」「ええ 宮入したなぁ」と言ってくれてました。町関係者からも喜んでいただきました。
曳行責任者として、本当に責任を果たせて本当によかったです。
ほんまに旭のメンバーを信じて祭りやってきて、宮入り壱番という特別な思いがあるやり回しを見事に成功させてくれました。
この喜びを今後もやっていけるような旭町であって欲しいと思います。
その動画はこちらです。You Tubu から動画をお借り致しました。
だんじりを参道で停止後 各部所みんなと握手をし、ハグをして喜びを共有しました。
これこそがだんじりを曳いている皆の思いが一緒になった瞬間です。「本当に、いい宮入をしてくれてよかったです。」宮入りが決まるとその年の祭り全てが盛り上がります。
「旭町を心から応援いただきました皆様 本当にありがとうございました。」
その後 宮を出て、今年は何十年ぶりに大道町 磯ノ上町に行きました。
磯ノ上町までロケット スタートです。
後の吹きちりが風でなびいています。
新しいコースをいただいた八幡町のセブンイレブンさんの右やり回しも行い(無事成功)戎町さんから
天の川にでて、そしてセブンイレブンから直線でダッシュしてラパークに向かいました。
ラパークやり回し うさぎや ハッピーをなりで数週回ってから旭町に帰り、子ども曳きをしました。みんな昼食も盛り上がってました。
それから 昼の曳行に向かいましたが、昼の曳行 開始後 中町のだんじりがラパークで横転する事故があり、(数名負傷)1時間半ちかく ラパークの曳行が出来なくなった事は本当に残念でした。でも来年の曳行責任者予定者や再来年の曳行責任者予定者もブレーキの練習をして、今年の昼の曳行を終える事ができました。
夜の曳行は台風18号の影響を考慮し皆で話し合い年番長にも了解をいただき、従来予定していたコースはとりませんでした。この18号だけは一生忘れられない台風です。
旭町の曳行責任者として、なんとか無事に平成29年の祭礼を終える事ができました。
大きな事故もなく 旭町として祭礼を終える事が出来たのも支えてくれた旭町皆さんのお蔭です。また他方面からのご寄付やご声援をいただいて、本当に有難く感謝致しております。これからも少しでも旭町のファンが増えるように、これからの旭町を担う方が旭らしい祭礼を続けて行って欲しいと願います。
本当に入魂や祭礼と、私の人生でこんなに短い1年はありませんでした。祭礼が終わった直後から熱がでて今 ふらふらです。さすがに肉体的 精神的に疲れましたね・・・・・ひとまず 本当に1年間 ありがとうございました。