こだわり桐箪笥の社長ブログ いい桐箪笥の柾目の杢目をとる作業の模様を紹介します。
今回のこだわり桐箪笥の社長ブログは、いい桐箪笥をお作りするには、こんな大変な作業をおこないます。
桐タンスで欠かせない前板の柾目の杢目をとる作業を紹介させていただきます。
2年から3年 天然自然乾燥した桐材の柾目の部分を木取りする作業です。
このように行います。
屋外で乾燥させた長い桐の材木は、6メートルや10メートルの長さがございます。この長い桐材から細かな柾目を木取りするためには、この様に2人がかりで作業を進めなければなりません。
電動ノコの回転も止まる程の力がかかります。専務の田中美志樹が奮闘してくれています。
2人の息がぴったりと合わないと大切な桐の柾目の部分が傷ついてしまいます。
このように桐の端持ってもらい。ノコギリに負担がかからないように助けてもらいます。
桐は軽いといわれますが、これだけ大きいとかなりの重さがあります。これだけの長さのある柾目の桐材はすごく高級な桐材なので、専務自ら木取りをします。
1つまちがえれば、ノコギリで大怪我をする場合もあります。のこぎりにはじかれる場合があります。指の先にノコギリの回転の風圧を感じる時があります。ノコギリにふれれば指がとびます。
2人でしっかりやり方を確かめながら作業を進めます。
また木取りの作業は木くず(おがくず)との闘いです。頭の先から全身木くずまみれになります。激しいくらいの木くずが舞い上がります。
おかくずで、目や鼻が痛くなる作業です。わたしも工房の時は父と共にこの作業をおこなってきました。
木が長いので、このように2人で、板の先を持ってくれないと桐の木の重さに負けてしまいます。
桐タンスの大切な柾目を木取りする作業は大変な作業になります。この細かな柾目をいかして木取りいたします。
下の写真のように鉛筆であらかじめ線を引いてからノコで引きます。
この杢目の細かい、良質の桐材の原木は、1本何十万円から場合によれば、何百万もする価値のある原木で最も高い特別な桐材なのです。
細かな柾目の部分を生かして、木取りをします。高速のノコギリが回っているので手がすべったら大怪我をする危険な作業です。
まっすぐ行かない場合は一度上げてから別の方向からノコギリを入れていきます。
まっすぐの木なんてないので、杢目に沿って切っていくのにノコギリが木の力に負けてしまい止まってしまう事もあります。
この材料から何棹分の前板を取る事が出来ます。樹齢約50年から80年の桐材からしか取れません。
神経を集中して作業に向き合わう事が重要です。
のこぎりの切っている部分を良く見てそれにあわせて、板の角度も変えていきます。
切っていけば行くほど桐材のかたちも歪んでいきます。
このように大きく広がってきたりします。
さすがに上手く木取りをしています。
今まであえてお伝えする事は今までしませんでしたが、
ショールームで桐箪笥の完成した作品だけをごらんいただけるだけでは、想像出来ない作業だと思います。是非 皆様にも知っていただきたくて、ブログでご紹介させていただきました。
工房では、日々いい桐箪笥をお作りするために、おがくずにまみれたこのような地味で危険な作業を繰り返しています。
私は普段スーツで仕事をしているのが申し訳なくなります。
工房の職人はほこりと木くずとの闘いです。
この職人が報われるような会社にしなければならないのですが、現実はとても厳しいです。
ネットでも沢山販売されている。
手間暇のかけてない外国の桐材で機械で大量に制作されている安価な桐たんすに
そもそも価格で負けてしまいます。
そのような品物とは全く異なる本物のこだわりの桐たんすが、
私どもの桐箪笥なのです・・・・・・
その本物の良さをすこしでもお伝えできるようにこれからも頑張ります!