こだわりの桐箪笥の社長 30余年前の本当にいい桐タンスを拝見させていただきました。
本日は、先日堺市のお客様のご自宅にお伺いさせていただきましたら、奥様が約30年前に
ご婚礼のお荷物として、ご実家から持参された桐たんすがお部屋にございました。
好学の為に、見せていただけるようにお願いして、拝見させていただきました。
手前が総桐の洋服箪笥で真ん中が、桐の衣装箪笥です。右側の油単が掛かっていない桐たんすは、ここのお婆ちゃんが持ってこられた桐箪笥です。
お母様の油単がかけられている、桐箪笥を拝見させていただきました。油単は30年あまり経過しているので、色は褪せてきています。
油単を上げさせていただいたら、「びっくりしました。」なんと素晴らしい本物のいい桐箪笥です。
沢山桐たんすをみさせていただきますが、本当にいい品物はあまりございませんが、
この桐箪笥は凄くいい品物で、本物の価値ある桐たんすです。
伝統工芸士の名前や伝統的工芸品の証紙はないのですが、それ同様の素晴らしい桐たんすです。作り方や木の使い方や仕事のやり方、見ればわかります。本当にいい桐たんすをお持ちです。
まず開き戸の金具をご覧ください。取手が象牙で作られています。いまでは、使用する事が不可能になった象牙が使われています。
桐箪笥の柾目も綺麗でバランスが良く通っています。また この兆番の金具の付け方をご覧ください。こだわりの高品質な本物の桐箪笥でしかご覧いただけない、桐箪笥の伝統技法の両欠き込み(本体と戸の両方をノミで丁寧に彫って取付をする事)の技法で作られています。
この様に、戸を開けた時に兆番(金具)が戸と本体に彫込まれています。
この写真の方が良くわかるとおもいます。本物の手間暇かかって丁寧にお作りしている桐箪笥はすべてこの様にお作りされています。両欠き込みの桐箪笥は本物の桐箪笥の証なのです。
いいお仕事をして作られています。
そして扉をあけさせていただきましたら、お盆も高級な作り出しのお盆が入れられています。上バには、チークの材料が使用されていて本当にいいお仕事をされている桐箪笥です。
もちろん 2杯のお盆と 2杯のお盆の間にも本物の桐箪笥では絶対にないといけない、中棚もございます。さすがに昔ながらの伝統技法を忠実に守られた本当にいい桐箪笥です。
どこでご購入されたのか、お客様にお聞きしましたが、お母様やお父様にお任せしていたので、はっきり覚えてないそうですが、正真正銘にいい桐箪笥です。
引出しにも隙間なくいい材料でお作りされています。
胴丸型の桐箪笥で、面には、紫檀(黒い部分)が巻いてあります。左の桐の洋服箪笥も同じ作りで本当に素晴らしい桐箪笥です。
手前には、小袖の桐たんすも一緒にお嫁入りの際に3本お持ちになられておりました。
こちらも本当に同じお作りで、すごくいい桐たんすです。鍵の部分には、五三桐のご紋入りの鍵座を付いていますし。隙間のなお引出しは丁寧な仕事で作られていました。
3本ともたいへんいい桐たんすをご購入されていました。
30年経っても、こだわりの桐箪笥の伝統的な作り方は継承されています。
今回 お客様宅でほんとうに素晴らしい桐たんすと出会う事ができました。
この3本は絶対に大事に大切にしていただきたい桐たんすです。将来何十年先に洗い替えをされる時も是非 私どもで洗い替えをさせていただきたい桐たんすです。
何十年は先には、お作りする事が出来ない貴重な桐箪笥になるかもしれません。
本当にいい桐箪笥を見せていただいて、ありがとうございました。
伝統的工芸品としての道具は、何十年たっても、私どものようなプロが見させていただいたら
分かるのです。
そう思えば、本物んの桐箪笥は値打ちあるとおもいませんか、・・・・
このような箪笥は、桐箪笥しかないのです。
だから今でもこの様な桐箪笥を作れるように私どもの工房は、日々努力を重ねています。