本当に有難い修理依頼です。本物は手直し出来ます。
和歌山のS様より、5年ぶりにお電話をいただきまして、楢材の間箪笥の修理のご依頼をいただきました。
S様は、5年前に桐の箪笥の洗い修理をさせていただいたお客様なのです。
遠方にも関わらず、私どもの桐箪笥の洗い修理の良さをご理解いただいて、当時ご注文いただきました。その6年前の洗い修理をさせていただいた桐の箪笥が下記の写真の桐箪笥です。
まだまだ凄く綺麗でしょう。手間の掛け方が違うので、いつまでも変わらぬ綺麗な状態を保っているのが、初音の家具の桐箪笥の洗い修理なのです。
今でも新品のようですね。
S様も凄く喜んでいただいていて、今回修理依頼をいただきました。
大切にお使いいただいていて、凄く嬉しい気持ちになります。
職人にも是非伝えたい事ですね。
その時に油単(桐たんす用のカバーの事)も新しくお作りさせていただきました。
油単をこうして掛けていただいているのも、桐たんすが綺麗に守られている理由です。
今回のご依頼の箪笥がこちらの楢材で作られた、間箪笥(けんだんす)です。
間箪笥は、1800mmの幅があるので、昔の寸法の呼び方で一間(いっけん)といいます。
ですから私どもでは、間箪笥といいいます。大きな箪笥です。
60年から80年頃前に作られた箪笥です。その当時は凄く高級な箪笥でした。
普通の方ならこんな古い箪笥が家にあれば、捨ててしまわれるでしょう。
でもそれはすごくもったいない事なのです。手直しをしてあげれば、後何十年も使えるのです。
その当時のいい材料で作られた箪笥が可哀想です。
今この様な箪笥を作れる工房は、少なくなっています。ほとんど弊社ぐらいかもしれません。
今の市場で一般に販売されている、安価な桐箪笥や洋家具は、手直し修理洗い替えはできません、お客様は出来ると思ってられるのですが、出来ません。知らないで購入されています。「悲しい事ですね」
その理由は、箪笥が本物ではないからなのです。見かけだけのごまかされた品物なのです。
本物の品物は、箪笥以外でもきちんとなおす事が出来ます。しかし本物で無い物は、手直し出来ないのです。この事は是非覚えておいてください。
こんなに擦り傷や打痕があっても、本物の箪笥だからこそ手直しする事ができます。
今のお客様は、古いものをなんでもかんでも捨てられます。「本当にもったいない」事です。
値打ちが分からないのでしょう。「悲しすぎます。」
日本の歴史や文化を簡単に捨ててしまって、何人なのでしょうか。もう一度日本のいい物を見直されてはいかがかと思います。
S様のお嬢様がこの箪笥を使いたいと言う事で、ご依頼を受けました。
この様な考えかた(古い良い物を大切になさる)は、本当に素晴らしい事だと思います。
この日本には沢山古くていい物が御座います。捨てる前に是非ご連絡いただければ、アドバイスさせていただきます。
今の日本の家具作りは大量生産とコストダウンでいい物が無くなってきました。制作する機械もどんどん良くなったため、職人が工員になってしまいました。ですからこのような本物の箪笥を作れなくなっています。
小さなこだわりの工房でなくては、本物の箪笥を残していく事が出来なくなってきました。
5年ぶりにご連絡をいただいて、S様本当にありがとうございました。
是非 ご依頼通り弊社の工房で綺麗に洗い修理をさせていただいて、後何十年と何百年とお使い出来るようにさせていただきます。
費用もかかりますが、今の偽物の箪笥をお使いになられるよりは、修理された方が格段にお値打ちです。手直しするのは大変な作業ですが、弊社の職人の技術と思いで美しく致します。
S様来年の納品を楽しみに待っていてください。ご依頼ありがとうございます。