桐箪笥のマイスターがお話しします。「桐とは、」 最高の材料なのです。
私どもがいつも大切に桐箪笥に使わせていただいている桐について、この度「桐箪笥のマイスターのお話し」と言う新コーナーをお作りさせていただきました。
先日お客様との会話の中でそのようなコーナーを作って下さいとの要望をいただいたので、早速はじめさせていただくようにしました。
私自らを「桐箪笥マイスター」として、桐箪笥のプロがお話しする知識と情報が沢山詰まったコーナーとして育てていきたいと思っています。
私が今まで経験した桐に関する知識(プロの)お話しとして掲載させていただきます。
この内容は、私どものホームページがある限り残していける事が出来ますね。是非皆様ご購読いただければ有難いです。
第1回目は、「桐とは」桐についての事をご紹介させていただきます。
桐は木の仲間と言うよりは、草の仲間なのです。「草であって、木と言う不思議な木です。」
だから昔の人は「木と同じ」と言う意味で、桐と言う漢字を命名したのでしょうか!
そうであれば、ものすごくすごい事でしょう。どれだけ先代の日本人が賢かったかが分かります。
桐は、ゴマノハグサ科に属する落葉樹の植物で、本来は草本で低木が一般的です。
しかし 桐の木だけが特別に木のように大きくなります。10~15メーター以上の高木に15~20年かけて成長いたします。
原木の幹の中心部分に穴が開いているのが特徴で、地中の水分を良く吸収して成長するのが早いのが特徴です。
ただし良質な緻密な桐タンスの前板の良い材料になるには、60年~80年はかかります。
そのぐらいの細かな桐材は、いまでも原木で1本何百万もしますが、年々数が少なくなってきておりものすごく貴重です。
成長すれば4月から5月中頃に薄紫の葡萄の房のような形をした花を天に向かって咲かせます。花を天に向かってさかせる事も桐の特徴です。
日本では昔から鳳凰が住む木とも言われ最も大切にされてきました、桐材としては、弥生時代からと言われ神社 寺院 宮廷で使われるようになりました。
日本では、最も高級な箪笥に向く材料として加工されてきました、日本人にはかかせない縁のある木なのです。
皇室では菊と桐の紋章が皇室専用の家紋として衣類はもとより多くの文様が使われきました。
その後室町幕府以後は、天皇よりの限られた武家に使用が認められるようになり
戦国時代からのちは、政権担当者の紋章として使われるようになりました。
現在では、日本国憲法憲制下の日本政府(内閣)は桐の紋章を用いています。(皇室でも使用されています。)
それだけ日本人にとって、桐は菊とともになくてはならない花(木)なのです。
花言葉は、高尚(こうしょう)・・・知性や品格が高く上品なこととされています。
花言葉そのものも桐の高貴な特徴を表しているなんて・・・・・・
桐とは、本当に古来から日本人に好まれた最高の材料なのです。この桐のお仕事に携われている私達は本当にその意味を心にしっかり心に刻み込むべきです。
日本の桐を大切に使い、本当に良いほんまもんの桐箪笥を後世に残す努力をすべきです。
今日お金儲けのみを優先している同業者様、もう1度「桐とは」の原点に帰って欲しいと願うばかりです。
日本の「桐とは」最高の材料なのです。
その桐の素晴らしい特徴については、また次回このコーナーでご紹介させていただきます。